フライパン焼きのコツ
ポイントその1ステーキは室温に戻してから
室温に戻す
室内に置いた食品の自然の温度が室温です。ステーキにする牛肉は、焼く30分くらい前に冷蔵庫から出して室温に戻します。冷蔵庫から出したての冷たい牛肉を熱いフライパンに入れると焦げ付きやすいからです。また、レア焼きだと中に冷たさが残るおそれがあります。
焼き縮みを防ぐ
鶏もも肉を大きいまま焼く場合は、金串やフォークで全体をつついておくと、焼き縮みが少なくてすみます。ステーキ肉などは、筋切りをします。
タレに漬ける
豚肉の生姜焼きは、薄切り肉なら5~6分、厚めの肉なら15分くらいはタレに漬けておきます。鶏の照り焼きの場合、もも肉を丸ごと1枚で焼く場合は1時間くらい漬けます。
ポイントその2ステーキは十分に熱して
フライパンは煙が出る直前くらいまで熱してサラダ油を入れ、フライパンを回して全体になじませながら油も熱くします。
フライパンの熱し方が足りないと、きれいな焼き色がつかないばかりでなく、肉のうまみが外に流れ出てしまいます。かといって、煙が立つようでは困ります。
ポイントその3肉は表側から焼きます
肉の裏表
一人一枚あてのステーキやポークソテーなどの場合、「表側から焼く」とありますが、肉の表側は、皿に盛って見た目の良い側、上下はナイフとフォークで切りやすい向きで決められています。
肉の外側に厚い脂肪層がついているロースの場合、“脂肪層が向こう側で肉の幅の細くなったほうを右側に”が、一般的な盛りつけのマナーです。
鶏肉は皮側が表。骨付きの場合は骨を右側にして盛ります。
フライパンが汚れないうちに、きれいな焼き色をつけたい表側から焼きます。
ミディアム
ステーキの焼き方で、中は生のレアと、中までほぼ火を通すウエルダンの中間の焼き方がミディアムです。カットして一般に売られているサーロインステーキ肉(厚さ焼く15ミリ、約200グラム)の場合のミディアムな焼き方をご紹介します。
油をなじませたフライパンに、肉の表を下にして入れ、強火のまま約30秒焼き、弱火にして約1分焼きます。フライパンの肉の下の部分は温度が下がるので、ときどき場所を移動させたり、肉の下に油をまわして、早くきれいに焼けるようにします。
レアは弱火で焼く時間を短くし、ウエルダンは長くします。
蒸し焼き
肉が厚いと火が通りにくいので、表、裏の順で焼き色をつけたあと、表を上にして、ふたをして弱火で蒸し焼きにするとよいのです。
ポイントその4焼き具合を確かめます
ステーキは指先で押さえて焼き加減を見ることができます。かなり弾力があるようならレア、弾力がほとんどなければウエルダンです。
ハンバーグも押さえてみればわかります。安心のためには、竹串を刺して確かめます。ハンバーグの中央に深く刺して引き抜き、その穴から済んだ汁がにじみ出てくれば、火が通っています。赤い汁ならば、中はまだ生です。
外側がほどよい焼き色なのにこれ以上焦がしたくない場合は、ふたをして弱火で蒸し焼きにします。竹串で確かめる方法はどの肉にも通用し、簡単で確実です。
網焼きのコツ
室タン焼きや焼き鳥は、少々煙たくても網焼きがいちばんです。
牛肉のみそ漬けもさっと網焼きにするとおいしいものです。
ポイントその1厚みを均一に
火が通りやすいように、タンは2~3ミリ厚さに切ります。鶏もも肉は厚みを少し切り開いて均一に薄くします。切らずに1枚で焼けば、返す手間が1回ですみます。ひと口大に切って焼くなら、金串に刺し連ねます。竹串では焼け焦げてしまいます。
ポイントその2皮から焼く
網をよく焼いてから、肉をのせます。鶏肉は皮から焼くのがコツです。脂がほどよく焼け落ちるので、エネルギーが気になる人にはおすすめの調理法です。ただし、脂が燃えることがあるので注意が必要です。
塩をふったり、タレ焼きの場合は肉にほぼ火が通ったところでタレをハケで塗って焼き上げ、好みで七味や粉山椒をふります。
オーブン焼きのコツ
肉内部への熱の伝わり方がゆっくり穏やかなため、肉本来の味が楽しめるのが、オーブン焼き。
ローストビーフのやわらかさは格別です。
ポイントその1たこ糸をかけるのは
形よく焼くためです
整形
ローストビーフにたこ糸をかけるのは、切り口をきれいな楕円形にしたいからです。心持ちしめ気味に巻きます。
丸鶏でロースチキンにする場合は、そのままで焼くとももや手羽が動いて先が焦げてしまうため、たこ糸で固定しましょう。
オーブンシート
最近の天板は焦げ付きにくい材質になってきていますが、肉から溶け落ちる脂で、洗うのが大変なことがあります。オーブンシートを敷いておくと、あと片づけがラク。脂が下に回らないように、縁を織り上げておきます。
ポイントその2前もってオーブンを
適温に温めます
適温に予熱
ローストビーフを焼く適温は200~220度、スペアリブのオーブン焼きは180度くらい。前もってその温度に温めておくことが予熱です。 電気とガス、オーブンの大きさで差はありますが、200~220度に予熱するのに5~10分はかかります。
肉の中心温度
ローストビーフを好みの焼き加減に焼くのはむずかしいものです。適温を守って時間通りに焼いても、切ってみるとレアすぎたり焼きすぎのことがあります。肉が室温にもどっていなかった、オーブンの広さに対して肉が小さすぎたり大きすぎたなど、原因はいろいろあります。
確実、安心のためには、ミートサーモメーターを使いしましょう。肉の中心温度を測る専用の温度計です。肉に差し込んでおけば、レア、ミディアムが一目でわかります。
参考文献:「食肉がわかる本」(財)日本食肉消費総合センター刊より出典